千夜千食

第231夜   2015年5月吉日

  • icon_14px
  • icon_14px
  • icon_14px
  • icon_14px

朝ごはん「永和豆漿大王」

帰る日の朝も街をぶらぶらして、美味しそうな店を発見。
普段、まともに朝ごはんなど食べないのに
一度のチャンスすらも逃したくないという気持ちになる。

 すっかり台湾に魅了されてしまった。骨抜きにされたと言ってもよい。台北、日月潭、台中。5泊6日の駆け足の旅では、どの地にも未練がたっぷり残る。後ろ髪引かれながら帰国日を迎えた。フライトは12時15分発。桃園空港には11時前に着けばいいので、逆算して遅くとも10時にはタクシーに乗ることにする。ということは、早起きすれば10時まで台北を堪能できるのだ。せめて最後の朝ごはんぐらいは、台北の喧騒の中で食したい。なので、さっさと身支度し、街歩きに出かける。

 台中から台北に戻り夜遅くチェックインしたのは台北のメインステーション、台北車站から歩いてすぐのホテルである。夜はほとんどウロウロできなかったので、今後のためにも多少なりとも土地勘をつけておきたい。台北車站の北側を足早に通り過ぎ、角を右に曲がって歩くと、付近はどうやらオフィス街のようである。ビルとビルが立ち並ぶ通りの軒には朝ごはんを売る店がけっこうある。みんなひっきりなしにバイクや自転車で乗りつけ、朝ごはんを店先で食べたり、テイクアウトしている。そうそう、こういうところで朝ごはんを食べてみたかった。と思いつつ歩いていると、一軒の店が目についた。店の人ほとんどが若い女性ばかりで、あふれんばかりの活気に満ちている。

th_IMG_5266th_IMG_5263th_IMG_5262th_IMG_5258th_IMG_5261トプ

 よし、ここにしよう。メニューを物色しつつ、まずは豆漿を注文する。長い揚げパンは油条であるな。あれを豆醤につけて食べると良さそうであるが・・・。目の前で焼いている蛋餅らしきものも美味しそう。さんざん悩み、その、蛋餅とゴマのついたパンのようなものを指差し注文する。

th_IMG_5255

豆漿はほんとに身体が洗われるような清々しい味である。蛋餅は葱と卵をくるんだ台湾式クレープのような感じ。しっとりした味わいである。ゴマのついたのは、焼餅でこちらも中に卵が入っていが、食感はパリパリ。豆醤とかわりばんこに食べて、最後の朝ごはんとした。

th_IMG_5267th_IMG_5259

 営業時間と書かれた看板を見ると、朝の6時から開け昼過ぎには閉める朝ごはん専門店である。ま、ランチのために利用する人もいるだろうけど、こんな店が普通に町中にある台湾の食環境は実にうらやましい。

 初台湾の旅。食に関して言えば、一軒たりともハズレがなかった。多くの人がリピーターとなり足繁く通う理由は、やっぱり台湾の食にあるのだな。