千夜千食

第93夜   2014年6月吉日

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二期倶楽部の「朝食」

高原の空気と一緒にいただく
みずみずしくもうまうましい朝ごはん。
人間、ちゃんと朝食べなきゃとしみじみ思う。

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 普段はめったに朝ごはんは食べない。だが二期倶楽部のようなリゾートに来ると自然と早起きになるし、何よりここは朝食だって素晴らしいのである。昨年の山のシューレで一度だけいただいたが、那須の野菜のみずみずしさと卵かけごはんが秀逸だったことが忘れがたい。むろん、今年も朝ごはんが楽しみである。

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 昨夜ディナーをいただいたメインダイニング“ラ・ブリーズ”。この時期は庭とのガラス窓が開け放たれ、自然と一体になるかのようなシチュエーションで朝ごはんがいただける。残念ながら雨が降ってはいたが、それでも高原の空気はみずみずしいご馳走だ。まずは、野菜ジュース、宇和島川村農園のみかんジュース、八坂特産完熟リンゴジュース、こだわりの豆乳の中から好きな飲物を選ぶ。旬の採れたて野菜も好きなのを選んで、好きなドレッシングをかける。小さな大根やラディッシュも葉っぱつきである。いがいがのついた胡瓜は金山寺味噌につけ、ポリポリ食べる。もうこれだけで、高原に来ているという感満載である。普段めったに食べない野菜に心なしか身体も喜んでいるような気がしてくる。

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 朝食にメインがあるのかどうかわからないけれど、やっぱりこのお重はメインという感じがする。「朝餉のにき菜重」。ふたをあけると、焼き魚、野菜の煮物、出し巻き卵、自家製豆腐。これに、二期倶楽部の滋養卵“純”は食べ放題(笑)。去年は、この卵で卵かけごはんをなんと二杯もいただいた。お漬物、焼き海苔、南高梅の梅干しもたっぷりついている。そしてお味噌汁に大田原産コシヒカリの炊きたてごはん。ひとつひとつのお菜が実にていねいに料理されていて、さらにはそれをこんな素敵なお重に入れてくれるのである。味と素材とうつわの三位一体。こちらも、ゆっくり時間をかけて、ていねいにいただこうという気持ちになる。

 食後のデザートは、季節のフルーツにヨーグルトのゼリー。ジョセフィンファームのヨーグルトも一緒にいただく。

 ご馳走様でした。さて、これから部屋に戻って一服した後、山のシューレ2日目だ。

◎追記

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 部屋に戻って出かける準備をしていたら、屋根の上でどんどんと音がし、目の前の庭にあった日よけの大きなパラソルが倒れた。何事かと外を見ると、サルが二匹いる(一匹は小ザルを抱いている)。那須に住む野生のサルたちだろう。ガラス越しに見ると、やはり野生の動物というのは、神々しく堂々としており、思わず見入ってしまった。後でスタッフの人に聞くと、山の方からときたま降りてくるらしい。ま、ホテルの通路とかではあんまり遭遇はしたくないけど、ここは高原。山の方では餌が少くなっているのだろう。それはそれで切ないことである。