千夜千食

第121夜   2014年8月吉日

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オーベルジュの朝食

野菜がシャキシャキみずみずしく、濃い。
自家製のパンも三種類のジュースも地元の恵み。
心が洗われるようなすがすがしい朝ごはん。

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 オーベルジュの朝ごはん。

 すがすがしい空気を吸いながら、ダイニングルームへと歩く。目覚めのジュースは、トマトにセロリ、小松菜にリンゴ、バナナをミックスしたもの、そして愛媛のみかんの三種類。どれもしっかりと濃い。それを適量グラスに入れて出す。これなら全部おいしくいただける。朝どれの野菜や果物をすべて味わってほしいという心配りであろう。

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 パンも枇杷の葉、くるみ、トウキビ、もち麦、ジャバラと内子の素材を使った焼きたてが出され、どれにしようか悩んでしまう。もち麦の入ったトーストの美味しさは格別だし、昨夜シャーベットでいただいたジャバラはパンに入るとまた独特の果実味が味わえる。野菜のコンソメスープの後は、これも地元の新鮮な野菜やキノコのサラダに、内子豚のベーコン、有精卵のポーチドエッグ。野菜ひとつひとつに本来の味があって、もともと野菜ってこういう味だったんだと改めて驚く。都会に住む野菜嫌い(嫌いというわけではないが、あまり積極的に自分では買わない)は、こういうとき素直に感動するのである。毎朝、こんな食事をすると、きっと身体も変わるのだろう。

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 朝食の量もちょうどよく、その配慮にも感心する、旅館などに泊まると食べきれないほどの量を出されることが多いが、今は質の時代。美味しく食べられるちょうどよい量の見極めも大事なことだなと思う。

 けっして過剰ではない。押し付けがましくない。だけど、控えめな中に、ちゃんと自分たちの哲学のようなものがある。それがさりげなく、施設のそこここに、感じられるオーベルジュである。来年も文楽の時期にまた来たい。