台北・かき氷「芒果皇帝」
台湾に来たら絶対外せないのが「かき氷」であるらしい。
そんなに美味しいのならと、食べてみて
百聞は一食に如かずということがよくわかった。
「かき氷」なのである。台湾に行ったら、ゼッタイに食べて帰らないといけないらしいのである。いや、誰かに言われたわけではない。ガイドブックにそう書いてあるのである。特に、「かき氷」と「小籠包」は食べないといけないとある。
ランチに「紅焼半筋半肉麺(前夜参照)」を食べたので、デザートにかき氷はちょうどいい。ガイドブックによれば、かき氷の店がいろいろありそうなのは永康街とある。早速、地下鉄を乗り継いで東門という駅を目指す。駅から地上に上がるエスカレーター横の壁面にはかき氷の店の広告が続いており、これはもう食べずになんとするという気にさせる。
しかし天邪鬼であるので、その広告の店にそのまま誘導されるのはなんだか癪である。永康街を物色しつつ、うん、ここにしようと入ったのは別の店である。「芒果皇帝」、マンゴーキングという店である。店内を見渡せば、みんなかき氷をシェアしてる。うーん、たしかにかなり巨大である。店頭の大きなメニューの中に、ちと小ぶりのかき氷を発見した。店の名前がそのままついている。
「芒果皇帝」その下には日本語でマンゴー皇帝かき氷とある。よし、これだ。
レジの置いてある入り口で、注文しお金を払う。番号を打った紙を渡され、席について待っていると呼び出されるというシステムである。5分ほどで呼び出され、いよいよマンゴー皇帝かき氷とご対面。
細かな氷の上に、けっこうな大きさの果肉がゴロゴロ入ってい、練乳とマンゴーピュレがたっぷりとかかっている。その上にはさらにマンゴーアイスクリームが鎮座。こりゃあ、食べでがありそうだ。まずはひと口。かき氷はとても薄く、舌の上でスーッと溶ける繊細さ。そこに濃密なマンゴーの果肉と練乳、ピュレが混ざり合う。これは美味しい、うん、馬鹿馬である。
雪のように繊細な、まさしく“ひとひら”の雪のような氷である。漢字で雪花氷と表記しているが、雪花とはうまく名付けたものである。いくら小さいとはいえ、それなりの量がある。一人で全部食べきれるか心配だったが、そこは雪のような氷である。すうーっと心地よく喉を通っていく。
それにしてもかき氷なんて何十年ぶりだろう。昔食べたかき氷のあのじゃりじゃりした氷の感触をイメージしていたから、見事にその想像は裏切られた。あれから何十年も経っているのだ。マシンの進化は著しい。かき氷がジャンクなおやつから、立派なスイーツに格上げされたのもうなづける。ま、あのじゃりじゃりの氷に、もっとシロップかけてくれればいいのに、と思いながら食べたかき氷も懐かしのスイーツではあるけれど。家でもかき氷機を買って、ガリガリ削って、カルピスの原液をかけた。今となっては、古き良き昭和の思い出だ。