香花
眺めているだけでかぐわしい香りが
たちのぼってくるやうな。
春風 一夜香夢を 吹く[春鏡]
【香】コウ(カウ) キョウ(キャウ) か かおり におい かんばしい
正字は黍に従い、黍(よし)+曰(えつ)。[説文]に「芳なり」とあり、黍と甘との会意字とする。甘はもと甘美の字でなく、嵌入の形であるから、甘美の意を以て会意に用いることはない。字の初形がなくて確かめがたいが、黍をすすめて祈る意で、曰は祝詞の象であろう。1・か、かおり、におい、よいにおい。2・かんばしい、美しい。3・たきもの、こう。(白川静『字通』より一部抜粋)