千夜千食

第132夜   2014年10月吉日

  • icon_14px
  • icon_14px
  • icon_14px
  • icon_14px

中目黒「シャポードパイユ」

スペシャル撮影のときのスペシャル朝ごはん。
フランスパンのサンドイッチがこんなに美味だとは・・・。
定番の味は約10種類、いつもどれにするか迷ってしまう。

th_IMG_0467

 仕事でロケのときの朝ごはん。すでにスペシャルなばくだんおにぎりは第42夜で紹介したが、こちらは女性スタッフにたいそう人気のサンドイッチである。

 ある日、タレントさんやヘアメイクさんが、なにやらきゃあきゃあ騒いでいる。どうした、どうしたと近づいてみると、サンドイッチの種類がいろいろあって、どれを選ぶかで大騒ぎになっているのである。なあんだ、そんなことか。たかがサンドイッチじゃん。そのときはさほど興味も抱かず、食べもしなかったのであるが・・・あるとき口にしてびっくりしてしまった。ソーデリシャスなのである。

topputh_IMG_0462

 バゲットを半分に切って、ハムとアボガド&トマトや、エビ、アボガド、卵のオーロラソースとか、スモークサーモンとクリームチーズなどを挟んでいる。バゲットがパリパリで香ばしく、具の組み合わせにセンスがある。たしかに女性陣がきゃあきゃあ言うだけのことはある。以来、ちょっとしたスペシャル撮影のときのリクエストメニューとなった。

 ここのシェフは、パティシェをめざし宝塚ホテルで修行した後、フランス、オーストリアのパティスリーを渡り歩き、いったん帰国。再びパリで研修を受けた後、レストランでシェフパティシエに。その後、2010年に店をオープンさせた。目玉は、もちろんパリ風サンドイッチ。パリのケーキ屋でパティシェ修行をしていたときによく食べていたという味を再現するため、皮が薄めで香ばしいパンを焼くことからスタート。小麦のおいしい味がするフランスパンになるよう何度も何度も試作を重ねたという。具にしているハムもフランスの職人さんから学んだ手作り無添加のもの。三週間ソミュール(塩水)に漬け込み、香味野菜と香辛料でコトコト煮込んだ本格派。ベーコンだってちゃんと乾燥&スモークさせて、自家製ブイヨンで煮込んでいるという、凝りに凝ったサンドイッチなのである。しかも、青カビチーズに胡桃と蜂蜜とか、季節のジャムにクリームチーズなどもあって、組み合わせもユニーク。金柑ジャムにクリームチーズなどという和洋折衷のアレンジも実に楽しいのである。

th_IMG_0465th_IMG_0466

 普通のバゲットはだいたい長さ30センチくらいだろうか。これは、それを真っ二つに切って、具をはさんでいる。だいたい幅15センチくらいか。女性だったら、それひとつでじゅうぶんお腹がいっぱいになる量である。だけど、サンドイッチの種類は定番もので約10種類。これにときたま気まぐれサンドイッチというシーズンメニューもあるし、発酵バターを折り込んで焼いたクロワッサンのサンドもある。いろいろ食べたいので、あるときからひとつのサンドイッチを半分にカットしてもらうことにした。これなら、少なくとも二種類は楽しめる。みなさんにも大好評。おやつにしたいフレンチトーストやパン・ド・ショコラも美味しい。ロケのときはロケバスさんが朝早く買いに行ってくれるので大丈夫だが、個人的に食べたいときは少なくとも昼までに行かないと売り切れてしまうことが多い。売り切れと同時にお店も閉まるのだ。

 どうしても食べたいときは。午前中に電話して取っておいてもらうというワザも使える。が、これも売れ行きのよい日は早く閉まるので、それはそれで早めに取りに行かないといけない。美味しいパンは午前中勝負。あ、うどんと一緒だ。