千夜千食

第185夜   2015年1月吉日

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三宮フレンチ「マロニエ」

きれいどころの女の子たちと
週末の晩ごはん、いやディナーとなると
やっぱり選択するのはフレンチですな。

 年に一度か二度ほど一緒にご飯を食べる妹分のようなコたちがいる。私は基本的に、キレイな女のコたちが好きなので(誰だって好きか・・)、こういうお誘いは大歓迎である。週末の三宮で、というご指定だったので、さてどこにしようかと悩んでいたら、彼女たちが何度か行ったフレンチにしましょうということになった。

 はじめての店はどんなジャンルであれ楽しみである。しかも週末よく徘徊している元町近辺。縄張りである。

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 待ち合わせの刻限、店に向かう。朝日ホールの山側の路地を入ったところの二階。ふーん。こんなところにフレンチがあったのね。エレガントな内装の店内は、すこぶる感じがよい。すでに集合していた妹分たちとまずは乾杯である。こういうシチュエーションでは、当然シャンパンをいただく。が、こちらのお店、シャンパンボトルは3本しか種類がない。しかもどれも価格が一緒である(と記憶している)。なので、まずはピエール・カロのブラン・ドゥ・ブラン。ラベルの上にノン・ドゼとあるのはあえて辛口になるよう、瓶詰めのときに糖分を加えていないという印。すっきり辛口のテイストである。

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 驚いたのは、シャンパングラスである。ご覧のようにトレーにいろんなカタチのグラスを乗せ、好きなのを選ばせてくれるのである。好きなお猪口を選ばせるというカタチを取っている和食はよく見受けるが、フレンチで見たのは初めてである。こういうの女性には人気なんだろうなと思う。このアイデア、店でというより自分の家で人を招くとき(あんまりやらないけど)に応用できそう。家にあるグラス類って、たいてい割ってしまったりして数が揃わない。なら、いっそ、お気に入りをひとつずつ買い揃えるという方法があるじゃん!と気づく。そうなのよね。バカラとかセットで買うのは大変だけど、一個づつならなんとか買える。

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 さて、今宵のメニューである。まず前菜に驚かされる。どこから見てもデザートである。白い皿に乗っているのはオペラ(チョコレート菓子の)をイメージした鴨のババロア。グラスの中にあるのはチョリソーのマドレーヌ仕立て。黒いお椀に入っているのはカリフラワーのスープ。クランチしたブラックオリーブを入れて食す。なんだか、楽しい仕立てである。こういうのをアミューズというのだろうね。二品めは、春の野菜畑。ホタルイカ、シマアジ、白魚、寒ブリ、平目の昆布締めなどをそれぞれ美しくデコレーションし、春野菜をアソートした一品。こういった魚や野菜を使い、創意工夫を凝らしたプレゼンテーションをするのは昨今のトレンド。女性にはこういうのも受けるのであろう。美しいとは思うが、おっさんの私には量が少ない(笑)。

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 この二皿が出てくるまでに、かなり時間がかかったので、シャンパンは予想通りすでに二本目である。今度は、リシャール・シュルラン、ブリュット・カルト・ドール。ピノ・ノワール勝ちなので、さすがにエレガントな味わい。ま、このクラスであれば、何を飲んでも外れはない。

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 続いての皿も、え?ティラミスと思うが、ここはイタリアンでもないし、最初のデザート仕立ての皿で、こちらのシェフの手の内はわかっている。これは、北海道のじゃがいものパンケーキなのである。中には帆立も隠れてい、シャンパンときのこのソースがかかっている。スフレのような一品の下には、明石の鯛。まわりを取り囲んでいるのは春野菜たち。ここで口直しのブラッドオレンジのソルベをいただいて、いよいよメインである。千葉産の牛ヒレ肉のロースト。トリュフと赤ワインのソース。すでにシャンパンも尽きたので、この皿に合わせてグラスで重めの赤をもらう。

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 最後は、またしてもプチソルベ、そして苺のシャンパンとプチ菓子のデザートをいただいた。

 今宵は、おしゃべりが主体なので、こういうきれいなフレンチでも満足である。この後、バーでいっぱい飲んで解散したのだが・・・私は家の近所の天皇バーにふらふらっと立ち寄ったはいいのだが、あろうことか深夜にオムライスを食するという暴挙に出てしまった。本音では、食べ足りなかったということであろう。ほんとにおっさんである。いや、おっさんではなく、中学生か。

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