千夜千食

第149夜   2014年11月吉日

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ドンペリブランチ@peter

昼間っからシャンパンでブランチっつーのは
なかなか贅沢で乙なもんだね〜
記憶にないが、4人でドン・ペリニヨン3本飲んだらしい。

 同窓会の続編である。今度は、中学から東京に行ってしまってそれ以来誰とも会っていないというK君をO君とU君に引き合わせるという主旨である。面子を考えると、絶対に酒は飲むし、騒ぐのは間違いない。40年以上ぶりだから男同士話も弾むであろう。場所が問題である。狭い鮨屋では迷惑をかけそうだ。ううむ。

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 そして、ハタと気づく。ホテルのお昼のブランチ。あれなら女子供がわいわいやってそうだし、少々騒いでも目立たない。ペニンシュラの上にある「peter」がブッフェ式のブランチをやっている。調べると、少しお高いけれどシャンパンとワインお替り自由というメニューがあるではないか。しかも、ただのシャンパンではなく、ドン・ペリニヨンと明記されている。よし、これで行こうと決める。

 男同士の対面はすぐさま時空を超えてあの頃に戻り、非常にフレンドリーなよい雰囲気である。席につき、給仕してくれた人に、「このプラン、本当にドン・ペリニヨン好きなだけ飲めるの?」と聞いてみると「もちろんでございます」と言う。じゃあ、私たちそれでお願いしますと頼んだら、横でK君が「彼らは僕ら(主に私のことであるが)の恐ろしさを知らないからなあ」とつぶやいた。

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 まずは、ドン・ペリニヨンで全員で乾杯。その後、三々五々に好きな料理を取りに行き、合間にドン・ペリニヨンを水のように飲む。いちいち注いでもらうのは面倒よねえ、などと話していたら、気を利かせてボトルをテーブルに置いてくれるではないか。だけど、このボトル、いつものドン・ペリニヨンのラベルとは少し違う。聞けば、オランダ人デザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペンがデザインしたスペシャルボトルなのだそう。普通のボトルより華やかで、キラキラしてる。グラスがどんどん空いて、ドン・ペリニヨンがどんどん注がれる。

 酒の上の失敗は、私の場合たいていはシャンパンを飲み過ぎたときに起こる。

 集合は正午であったが時計を見るとまもなく3時になろうかという刻限。明日は松山で仕事があるので、この日は5時の飛行機に乗らなければならない。有楽町から羽田まで・・・うーん、そろそろ行かなくては。だけど男同士で妙に楽しく盛り上がっている。いいな、いいな。しかし、そうも言ってはいられない。意を決して立ち上がり、お金を置いてひとり帰る。しかし、なんだか、やっぱり、昼間の酒は酔っ払う。もうJRにはよう乗らん。たしか、タクシーに乗って羽田まで行ったのであろう。それから松山空港に着陸したときのゴオオオという衝撃で目を醒ますまでの記憶が一切ない。搭乗口でeチケットがどこに行ったかわからなくなり、なんだか係員に文句を言った記憶はおぼろげにある。パソコンを持っているから、空港の保安検査場でスーツケースから出したであろうけど、その記憶はない。どうやって飛行機に乗ったのだろう。機内では爆睡したのであろう。コートも脱がずにシートベルトをしている姿に苦笑する。それにしても。よくもまあ、何事もなくスムーズに乗ったものである。普段経験している手順というのは、酔っ払っていてもできるものなのだと改めて感心する。

 後日、K君から聞いた話では、彼らは「peter」の後、5時から開くというO君行きつけの新宿の居酒屋に移動し、それぞれの飛行機や新幹線の時間までしこたま飲んだという。K君はその後8時過ぎには自宅に帰ったらしいが、奥さんから何でこんな早い時間なのにそんなに酔っ払っているのと叱責されたそうである。

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 そしてそして、これも後から聞いた話であるが、「peter」でドン・ペリニヨンは3本空いたそうである。そのうち、1本半は確実に私が飲んだそうである。が、そんなに飲んだ記憶はない。(写真に写っているデザートもこんなに食べた記憶はない)