千夜千食

第97夜   2014年6月吉日

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駅カレーLOVE

駅カレー、それは究極のコンビニエントフード。
駅カレー、それは誘惑にかられる人さらいの匂い。
駅カレー、それはガシガシ食べるファンキーなひと皿。

 駅カレーが好きである。どうしてなのかはわからない。ある日、はた、と気づいたら、あたりまえのように駅カレーを食べていた。いちばんよく通ったのはJR大阪駅構内にあった「インド倶楽部カレー」である。長いコの字型カウンターを囲む典型的なスタンドカレーで、照り焼きチキンカレーごはん少なめというのが定番だった。そのうちおばちゃんにすぐ顔を憶えられ、「あ、いつものね」と大声で言われるのには閉口したが、さんざん通い詰めた。が、駅の改装に伴いある日忽然となくなってしまった。新大阪駅の端のほうにどうやら系列らしき同名の店があるので、一二回行ってはみたがどうも勝手が違う。なので、現在は大阪駅を出たところにある「ピッコロ」というカレー屋に行っている。ここは就職したての頃は東梅田駅に向かう地下街の中にあり、5席しかない名店で知られたが、いかんせんカレーとしてはかなり甘めの欧州風。かろうじてチキンカレーもあるのだが、そう頻繁に通うにはいたってない。

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 品川駅構内には、大阪駅の「インド倶楽部カレー」と同じようなスタンドタイプのカレーがあって、こちらは入り口で食券を買うスタイルだった。ここのタンドリーチキン黒カレーというのも好きで、日帰り出張が入ると、このカレーを食べる時間を逆算して新幹線に乗っていたものである。ところがここも品川駅の改装でいつのまにかなくなってしまった。リニューアルするかと楽しみにしていたがその願いはかなわず、代わりに出現したのが「野菜を食べるカレーcamp」である。いわゆる駅カレーという意味では少々毛色が違うのであるが、野菜たっぷりというのとキャンプ場で食べるようなしつらえが愉快なので、ここも時間調整して通っている。こちらでのお気に入りは、たまねぎときのこのチキンカレー。それに温泉玉子をトッピングしてもらう。

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 東京駅からカレーどきに新幹線に乗ることはめったにないのだが、92夜〜96夜まで過ごした二期倶楽部の帰りに久々に行ったのは「ドン・ピエール」という店である。東北新幹線の出口から近いキッチンストリートにあるのは知っていたので、この日は妙にカレーが恋しくなっていたのである。こちらも基本は欧風カレーだが、タンドリーチキンカレーというのがあるのである。駅カレーにしては堂々の1000円超えというのが少々気に食わないが、スパイスがしっかり利いた黒カレー系の好きな味である。

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 改めてこうして書いてみると、カレーはカレーでもビーフではなく圧倒的にチキンカレーが好きなことに気づく。ナイルでもムルギランチはチキンだし。あ、新大阪駅でときたま食べる「たむらのカレー」だけはチキンがない。食べるのは「焼き肉カレー温泉玉子のせ」である。それと最近発見した新神戸駅の自由亭でもステーキカレーを食べる。要は駅にあるカレーだったら、何でも好きっていうことか。それにしても行きつけのカレー屋がいろんなところにあるのは楽しい。

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 あ、駅カレーではないけれど、もう一軒おいしい店があった、昨夜食べちゃった「モレスク」のスパイシーカレー。これはスープタイプの大人の味であるので、深夜の〆にはちょうどいい。

 しかし、カレーもそうとう好きだったんだな、私。