鶴丸の「カレーうどん」
深夜、もう入らんと思いながら
食べてしまう悪魔のカレーうどん。
続けて二杯という逸脱までしてもうた。
深夜のカレーうどん。なんと悪魔的なひびきだろう。
夜の高松で食事して、ちょっと飲んで、そろそろ〆ようか、というときに行くのが鶴丸だ。ここも最初は妹に連れて来てもらった。カレーうどんが抜群に旨いという。店があるのは高松一の歓楽街古馬場町。フェリー通りに面している。もう一軒、近くにカレーうどんの名店があるのだが、いろいろ食べ比べた結果、私の好きなのはこちらである。
オープンするのは夜8時。それから3時までやっている典型的な深夜店だ。当然、客のほとんどは〆のうどんを食べにやってくる。昼間やっているうどんは帰省した折にちょくちょく寄れるが、ここは高松に泊まって深夜までうろうろしているときくらいしか来れないので、今回は最初から〆に来ることを目論み、夕食は少し控えめにしておいた。
中学時代の悪友と共に、11時過ぎに入店。ビールとおでん、そしてカレーうどん。ちくわの天ぷらと卵もトッピングした。これだけでけ恐ろしいカロリーであることは承知しているが、誘惑には抗えない。うどんは細めで柔らかい中にコシがある。これがカレーだしに絶妙にからんで、たまらんのだ。旨い。馬鹿馬である。故郷の夜の味。
悪友が、せっかくだからもう一軒の別のカレーうどんの店に行って、味比べをしようと恐ろしい誘いをする。何がせっかくだかようわからんが、当然受けて立つ。ふたりでその店に行くも、移転したのか、たまたま休業していたのか、看板が見当たらない。しかし、ふたりとも新たなカレーうどんの口になっている。すると、鶴丸の二号店ができているのでそちらはどうやと新たな提案。そちらへ向かいつつも、やはり気が変わり、もう一回鶴丸本店に行こうということになった。
驚いたのは店の方である。先ほどカレーうどんを食べた客が、何食わぬ顔をしてまた同じカウンターに座ったのだから。何かいちゃもんをつけるとでも思ったのだろうか。何度もこちらを見ているのがわかる。(カレーうどん食べに来ただけだからね~)そして同じカレーうどんを注文。さすがにトッピングはなしの「素」カレーうどんにした。しかし、酔いもまわっているのか、この状況が可笑しすぎて笑いが止まらない。悪友は内科医。今では、私の高コレステロールと高中性脂肪を管理するはずの主治医でもある。さらには、夕食はプチ同窓会で中華を食べている。その後バーを二軒ハシゴしてワインにシャンパン、ウィスキーまで飲んでいる。
「一日ぐらいはええやろ」と彼。はい、一日だけならね。
書いているうちにまたカレーうどんが食べたくなってきた。今度はいつ帰れるだろう。