2016-11

六甲ピッツェリア「カルモ」

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 飲食店不毛の地六甲駅前。第206夜で紹介した焼き鳥屋さんが彗星のように現れたと思ったら、今度はそのすぐ小道をはさんで3軒隣にピッツェリアがオープンした。

 ピッツェリア。言わずと知れたピザ屋さんである。ピザかあ。そういえば、長い間ピザを食べていない。そもそも食べる機会がなかなかないのである。ところが、会社の近所に窯焼きピッツェリアができ、社員が美味しいというので出かけたところ、たいそうクオリティが高かった。なので、月に一度くらいはランチの選択肢にピザも入ることになった。そうしたら、今度は家の近所にピッツェリアができたのである。

 興味津々。問題はいつ行くか、である。そうこうしているうちに、近所の天皇バーで行ったという人がちらほら現れ、なかなか美味しいという評判である。こうなったら、もう居ても立ってもいられない。飲み友達の由利ちゃんを誘って、出かけることにする。

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 白でまとめられたセンスのいいエントランス。奥には大きな石窯が見える。入口脇には小さなテーブルがあって、後は石窯までまっすぐ続くカウンター。あの超ローカルかつファンキーだった鮨屋がこんな洒落た空間になるなんてね。驚きである。

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 カウンターの真ん中あたりに陣取って、まずはメニューを物色。前菜、窯焼き料理、生ハムもある。ピザだけでなく、ちゃんとスターターからいろいろ楽しめる構成である。これはいいじゃん。まずは、辛口の白で乾杯。さてと、今日はふたりだから、じゃんじゃん注文できる。前菜には、濃厚レバーパテと揚げチーズニョッキを。うん、どちらもなかなか旨く、ワインが進む。またたくまにぱくぱく平らげる。窯焼き料理も何か言おう。と、メニューの中に懐かしのラザニアを発見した。ラザニアは大昔大好きでよく食べたのだが、最近はとんとお目にかからない。手間がかかるからかしら。だけど、ピザ窯で焼くラザニアは、熱々で絶対に美味しいに決まってる。さっそく注文する。すると由利ちゃんが、野菜も食べないと、というので、野菜の窯焼きバーニャカウダソースも頼む。ピザ窯がラザニアも野菜も、短時間で美味しくしてくれるのである。

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 生ハムもいろいろ種類がある。パルマ産14ヶ月熟成の生ハムや、鴨の生ハムというのもある。お値段もすごくリーズナブルなんである。何種類か頼んでランブルスコと一緒に食す。

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 真打ちのピザは、マルゲリータとしらすマリナーラというのを注文する。薪をくべ400度の高温で一気に焼くピザは、外側はカリッと香ばしく、中はもちっと小麦粉の風味が生きた味。こんな美味しいものがたったの1分半で焼きあがるのだ。オーナーは、「焼きたての熱々だから美味しいんですよ」と謙遜するけど、いやあ、これは粉の配合といい、寝かせといい、綿密な下ごしらえあっての美味だろう。

 お休みの日の地元で夕食を何にしようというときの選択肢にピザが加わった。この店ができなければ、ピザが選択肢に入ることはきっとなかったろう。そう思うと、ずーっとこの地で頑張り続けて欲しいと願う。

 後日。

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 先日頼んだランブルスコ、甘口しかなかったので辛口も入れてねと頼んでおいたら、さっそく仕入れてくれていた。こういうの、うれしいじゃない。生の水牛モッツァレラときのこのマリネ、生サラミ&生ハムでさっそくランブルスコをぐびぐび。余った生ハムは、ビスマルクという卵入りピザに乗せてもらって、二度楽しんだ。ピザは、シンプルにマルゲリータでしょ、という人が多いけど、私は卵好きなので、いつもさんざん迷った挙句、ビスマルクを注文してしまうのである。

2016-11-15 | Posted in 千夜千食Comments Closed 

 

朝ごはん「永和豆漿大王」

 すっかり台湾に魅了されてしまった。骨抜きにされたと言ってもよい。台北、日月潭、台中。5泊6日の駆け足の旅では、どの地にも未練がたっぷり残る。後ろ髪引かれながら帰国日を迎えた。フライトは12時15分発。桃園空港には11時前に着けばいいので、逆算して遅くとも10時にはタクシーに乗ることにする。ということは、早起きすれば10時まで台北を堪能できるのだ。せめて最後の朝ごはんぐらいは、台北の喧騒の中で食したい。なので、さっさと身支度し、街歩きに出かける。

 台中から台北に戻り夜遅くチェックインしたのは台北のメインステーション、台北車站から歩いてすぐのホテルである。夜はほとんどウロウロできなかったので、今後のためにも多少なりとも土地勘をつけておきたい。台北車站の北側を足早に通り過ぎ、角を右に曲がって歩くと、付近はどうやらオフィス街のようである。ビルとビルが立ち並ぶ通りの軒には朝ごはんを売る店がけっこうある。みんなひっきりなしにバイクや自転車で乗りつけ、朝ごはんを店先で食べたり、テイクアウトしている。そうそう、こういうところで朝ごはんを食べてみたかった。と思いつつ歩いていると、一軒の店が目についた。店の人ほとんどが若い女性ばかりで、あふれんばかりの活気に満ちている。

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 よし、ここにしよう。メニューを物色しつつ、まずは豆漿を注文する。長い揚げパンは油条であるな。あれを豆醤につけて食べると良さそうであるが・・・。目の前で焼いている蛋餅らしきものも美味しそう。さんざん悩み、その、蛋餅とゴマのついたパンのようなものを指差し注文する。

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豆漿はほんとに身体が洗われるような清々しい味である。蛋餅は葱と卵をくるんだ台湾式クレープのような感じ。しっとりした味わいである。ゴマのついたのは、焼餅でこちらも中に卵が入っていが、食感はパリパリ。豆醤とかわりばんこに食べて、最後の朝ごはんとした。

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 営業時間と書かれた看板を見ると、朝の6時から開け昼過ぎには閉める朝ごはん専門店である。ま、ランチのために利用する人もいるだろうけど、こんな店が普通に町中にある台湾の食環境は実にうらやましい。

 初台湾の旅。食に関して言えば、一軒たりともハズレがなかった。多くの人がリピーターとなり足繁く通う理由は、やっぱり台湾の食にあるのだな。

2016-11-08 | Posted in 千夜千食Comments Closed